WordPressは自由度が高いので、WordPressを使ってサイトを運営している人も多いでしょう。特に、化粧品や家電、クレジットカードなど、商品の比較サイトを運営していると、実際に購入したユーザーの口コミが重要です。商品を選ぶときに口コミなどの評判をチェックしてから購入したい人も多いのです。WordPressでは、コーディングなどの専門の知識がなくても口コミサイトを作ることができます。この記事では、口コミサイトの利用事例や構築方法などを紹介していきます。
目次
口コミサイトとは
口コミサイトとは、ユーザーが商品や店舗、サービスなどに関する評価を投稿できるWebサイトの総称です。口コミサイトでは、主に商品やサービスを利用したユーザーによって、利用後の感想や利用して得た知見などが投稿されます。実際に商品やサービスを利用したユーザーによる口コミなので、商品の購入を検討している人にとっては非常に有益な情報源になります。
口コミサイトのメリット
口コミサイトを作ると、ユーザーにもサイトを運営する側にも大きなメリットがあります。それは、サイトの信用性があがることです。お店やサービスを提供する側は、いかに自社の商品が優れているかをアピールするためにセールストークを展開していきます。購買意欲をそそるような広告も打ち出してきます。すると、その商品やサービスのいいところしか見えなくなり、本当にいいのかどうか判断に困ってしまうでしょう。また、複数の商品やサービスを比較検討している場合も迷ってしまいます。そんなときに、参考にしたいのが口コミです。口コミには実際の利用者の声が掲載されているので、商品やサービスを利用するときに参考にすることができます。
また、その商品やサービスのデメリットもみつけることができるのです。全ての商品やサービスが、全ての人に適しているわけじゃありません。例えば、1つの化粧品に関しても「乾燥肌の私にはしっとりしてよかった」という口コミもあれば、「私は混合肌だから、ベタつきが気になった」などの異なる口コミがあります。人によって感じ方が違うので、自分と同じ肌質の人の口コミを参考することも可能です。誰しも、大切なお金を使って購入した商品やサービスに後悔したくはありません。購入前に口コミをチェックすることで、「こんなはずじゃなかった」という事態を減らすことができるでしょう。
また、口コミサイトを運営することで、口コミを見たい閲覧者と書き込みをしたい寄稿者の両方のユーザーを集客することができます。ブログのようにコラムやコンテンツをアップしていかなくても、商品の情報を用意しておけば、自然とサイト自体が盛り上がっていくのです。ある程度のアクセスがあり軌道に乗っていけば、運営にもそう時間をかけなくてもアクセスアップすることができるでしょう。
口コミサイトのデメリット
口コミサイトは、アクセスアップが見込めるのが大きなメリットです。しかし、その一方で、口コミサイトを運営するうえでのデメリットも知っておく必要があります。ここでは、デメリットを4つ紹介します。1つ目が、口コミが偏りやすいことです。転職サイトの口コミを例に挙げてみましょう。転職サイトでは、退職者や従業員による口コミが掲載されています。しかし、転職サイトに口コミを書くユーザーは、転職サイトに登録をしているので転職を検討しているユーザーです。
会社が好きで一生働き続けたいと感じている人は転職サイトに口コミを書かないでしょう。会社に対して何らかの不満を持っていて退職したいと考えている人が、書き込みをしているのです。そう考えると、いい口コミよりも悪い口コミが多くなるのは、必然といえるでしょう。また、商品の口コミについても同じようなことがいえます。ある商品を購入して、期待通りの商品だった場合に、わざわざ口コミサイトに書き込む人は少ないでしょう。もともとサイトにレビューを書き込むことが好きだという人は別です。商品が気に入らなかったり、お店の対応が悪かったりしたときに、人は誰かに話を聞いてもらいたくなります。
また、「粗悪品による被害をこれ以上増やさないために」と人に知らせたいという人もいるでしょう。そのため、口コミサイトにはいい評価が集まるとは限らないのです。また、誹謗中傷する内容が書き込まれることもあります。会社のホームページでいくら魅力的な宣伝を行っていたとしても、設置した口コミサイトの内容が悪ければ、商品やサービスを受け入れてもらえません。また、口コミに対する削除依頼がでるケースもあります。しかし、その口コミがどうして削除しなければならないのか、調査して証明する必要があります。そのためには、多くの時間と労力が必要です。このように、口コミサイトの運営にはデメリットもあります。導入前にしっかり検討して、利用を開始するようにしましょう。
マスメディアを上回る口コミサイト
インターネットを利用している人は年々増加傾向にあります。20代や30代の利用が多いといわれていますが、時が経つにつれて、利用者の年齢層も幅広くなっていくことでしょう。そのため、テレビや新聞などのマスメディアよりもインターネットから受ける影響が大きくなっていくのです。インターネットで公開されている口コミは、虚偽であったとしても発信者に責任がありません。しかし、マスメディアは発信者に責任を問われます。よって、マスメディアのほうが根拠に基づいた真実に近いでしょう。
ところが、口コミサイトの影響力はマスメディアをしのぐ勢いです。商品を買おうか迷ったときに、決め手になるのは口コミサイトになる傾向が高いといわれています。そのため、商品の販売戦略を練るには、口コミをいかに味方につけるかが重要になってくるのです。
口コミサイトの代表的な事例
口コミサイトとして利用者の多いサイトを紹介していきます。1つ目が、グルメ・レストランガイドの「食べログ」です。食べログでは、全国にあるレストランの情報を掲載し、一般ユーザーからの口コミを載せています。また、その口コミを集計してグルメランキングにし、ユーザーがランキングから検索することが可能です。初めてサイトを訪問したユーザーも、人気店をすぐに検索することができるので人気を集めています。2つ目が、旅行の口コミサイト「フォートラベル」です。フォートラベルは、日本最大級の旅行口コミサイトです。旅行者の口コミとランキングが掲載されていて、そのなかから人気のホテルや宿を比較・検討することができます。
旅行は、短期間でもそれなりの費用がかかります。そのため、実際の旅行者の口コミから、本当に楽しめるかどうか、もっといいホテルがないかなどを比較したい人が多いのです。3つ目が、宿・ホテル予約サイト「じゃらんnet」です。じゃらんnetは、国内の宿屋やホテル、旅館の宿泊予約ができるサイトです。目的地・テーマ・こだわり条件から宿を検索することができます。 じゃらんnetも、実際の宿泊客の口コミが載っているので、宿泊施設の情報だけでは分かりにくい雰囲気やサービスに関する情報を手にいれることができるでしょう。
商品販売のサイトの作成方法
口コミのある商品販売サイトを作るのにおすすめなのが、「WooCommerce」と「WooCommerce Product Reviews Pro」というプラグインを組み合わせて作成する方法です。WooCommerceの設定をすることでレビューの投稿が可能です。WooCommerceをインストールして有効化したら、ダッシュボードに「WooCommerce」が追加されます。「WooCommerce」を選択し、「商品」をクリックしましょう。すると、レビューの項目に4つのチェックボックスがあります。「レビューでの評価を有効」、「評価は、レビューを残すことを要求」、「カスタマーレビューのために『承認』のラベルを表示する」、そして「購入者からのみレビューを許可」の項目を設定できます。購入した人のレビューだけを記載した場合は、この項目にチェックを入れましょう。
このように、WooCommerceでレビューに関する設定をすることができます。さらに、WooCommerce Product Reviews Proを導入すると、機能の幅が広がります。レビューに写真や動画をアップすることも可能です。また、商品の感想に対する質問をして、ユーザーにドロップダウン形式で回答してもらうこともできます。加えて、ユーザーによる口コミの並び替えも可能です。ユーザーが口コミを投稿しやすくなると、アクセスも増えます。WooCommerceとWooCommerce Product Reviews Proを導入して、ユーザーにとって口コミのしやすいサイト作りを目指しましょう。
予約型のサイトの作成方法
口コミのある予約型サイトを運営するのであれば、「WooCommerce」「WooCommerce Product Reviews Pro」に加えて、「WooCommerce Bookings」というプラグインを導入するのがおすすめです。WooCommerce Bookingsでは、ユーザーが日時を指定して予約をすることができます。ほかにも、予約をするのに便利なさまざまな機能があります。例えば、予約時に予約完了メールを送れることです。さらに、カレンダー形式で予約リストを表示させることができるので、見やすくて便利でしょう。
【おすすめプラグイン】1.Author hReview
プラグインを導入すると、専門の知識がなくても簡単に口コミサイトを構築することができます。そこでおすすめのプラグインを2つ紹介します。まず、「Author hReview」というプラグインです。Author hReviewは、サイトの管理者がレビューサイトを作るためのプラグインになります。そのため、ユーザーから評価を投稿してもらうことができません。あくまでも管理者のレビューを投稿するプラグインになるので注意が必要です。また、構造化データを構築するための編集項目があります。構造化データとは、Googleの検索結果ページに表示される評価や予算、住所などです。この項目を表示させることができるので、ユーザーも評価を確認しやすいでしょう。
これは全て無料版の機能ですが、Author hReviewには高機能のプロ版があります。プロ版では、サポートやレビューの細かいコントロールが可能です。さらに、0.5点毎の投稿が可能になったり、テンプレートやショートコードが使用できたりするようになります。より多くのレビュー機能を使用したい場合は、プロ版を検討してもいいでしょう。Author hReviewは、ダッシュボードから「プラグイン」を選択し、「新規追加」をクリックして、検索窓で「Author hReview」を検索することで見つけられます。インストール後、有効化して設定することができます。
【おすすめプラグイン】2.Comment Rating Field
「Comment Rating Field」というプラグインも、口コミサイトを作るのにおすすめです。Comment Rating Fieldは、コメント欄に評価点を投票する項目を追加できるプラグインです。WordPressにある通常のコメント機能でレビューの管理をしますが、評価点の編集はできません。コメント機能を利用するので機能や設定項目はシンプルです。そのため、普段からWordPressのコメント機能を利用している人は使いやすいでしょう。そして、管理画面からコメントの承認や否認をすることができるので、悪意のあるコメントを拒否できるのも大きなメリットです。また、Comment Rating Fieldの管理画面は英語になります。しかし、項目名を日本語で設定することは可能です。日本向けのサイトの場合、ユーザーもわかりやすいでしょう。
そして、口コミの評価を集計して平均点を出すことも可能です。ただし、評価点によるランキングやウィジェットに一覧を表示する機能はありません。紹介した機能は、無料版のものです。シンプルですが、口コミサイトに必要な機能を備えているので、これだけでも十分な機能を果たせます。さらに、高度な機能を求める場合はプロ版の導入も可能です。プロ版では、任意のカスタムポスト毎に採点項目があったり、サイドバーにランキングを表示させたりすることもできます。Comment Rating Fieldも、ダッシュボードから「プラグイン」を選択し「新規追加」から検索することが可能です。そして、インストール後に有効化して、レビューの設定を行いましょう。
まとめ
口コミサイトは、ユーザーが商品やサービスの利用を検討するときに大きな判断材料になります。そのため、口コミサイトを導入すると、ユーザーと寄稿者からのアクセスが増え、集客が期待できます。口コミサイトは、プラグインを利用すると簡単に導入することができるので、口コミサイトを構築してみましょう。しかし、口コミサイトにはどのプラグインが適しているのか迷ってしまうこともあるかもしれません。
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