WordPressをこれから利用しようと考えている人にとって、まず悩んでしまうのがテーマ選びですよね。どのテーマを選ぶかでサイトの雰囲気も機能性にも大きな違いが出ます。また、いったん決めたテーマから変更するとなると大きな手間がかかりますので、可能な限り最適なテーマを選びたいと慎重になるのは当然のことです。この記事ではWordPressの無料テーマを選ぶ際に失敗しないためのポイントを紹介します。テーマ選びで足を止めてしまっている方はぜひ参考にしてください。
目次
無料テーマのおすすめをダウンロードするとどうなる?
WordPressの管理画面を立ち上げると、いくつか自動的に無料テーマのおすすめが表示されます。最初は右も左も分からないため、促されるままにテーマをダウンロードしたくなるかもしれませんが、それはおすすめできません。多くの場合、何の考えもなしにテーマを選んでしまうと使用していくうちに使い心地の悪さを感じるようになります。結局、後からテーマを変えることになり、レイアウト変更などの手間も余計に必要となるため後悔してしまうケースも珍しくないのです。ただでさえ、サイトの立ち上げ時はやることが多いのに余計な労力は使いたくないですよね。ですからテーマ選びは特に慎重に行うべきなのです。
無料テーマで後悔する理由
無料テーマを選んで後悔する理由はいくつかありますが、特に下記の4つが大きい理由として挙げられます。
・Web上にダウンロードした無料テーマの情報がない
有料テーマの場合、多くの人に購入してもらえるように作成元で使い方のマニュアルや情報などが体系的に公開されていることが多くなっています。有名なテーマであればユーザーからの情報も多く手に入るでしょう。一方、無料テーマの場合、それほど積極的な情報開示をしていないことが多々あります。疑問を解決するには活用方法を扱っている個人サイトなどを探す事になりますが、選んだテーマの人気がないと情報が少なく、たとえあったとしても理解しにくいということも珍しくありません。その場合、試行錯誤を重ねながら時間と手間をかけて使い方を確認していくことになるでしょう。
・レスポンシブ対応がない
レスポンシブ対応とは、閲覧する端末に応じて見やすいようにデザインが切り替わる機能のことです。パソコンとタブレット、スマートフォンでは画面のサイズや縦横比が異なるため、それぞれにとって見やすいレイアウトが異なります。各端末ごとにサイトを作るのは現実的ではないので、レスポンシブ対応のテーマかどうかがユーザーの使い勝手において非常に重要となるのです。有料テーマでは、レスポンシブ対応は標準装備ともいえるものになりつつありますが、無料テーマでは対応していないことも多くなっています。
・カスタマイズがしづらい
有料テーマは直観的に使いやすい設計になっており、また幅広い機能が搭載されているため簡単な操作でサイトをカスタマイズすることができます。一方、無料テーマの場合は必要最低限の機能のみ用意されていることが多く、そのままではカスタマイズの幅が制限されている状態です。必要なカスタマイズを行うには、プログラムを書き換えるかプラグインを利用する必要があります。プログラムを変更するには専門的な知識が必要になりますし、プラグインを多く使いすぎると、サイトが重くなり表示速度が遅くなってしまいます。そうした場合、プラグイン同士の相性が悪く不具合を起こす可能性もあるのです。
・アドセンスなどの広告配置がしづらい
WordPressでサイトやブログを始める人の中にはアドセンスなどで広告収入を得たいと考える人も増えています。それを受けて多くの有料テーマでは、広告を自由な位置に簡単に配置できるように設計されているものが多いのです。しかし無料テーマでは、広告の設置がしやすいものはあまり見受けられません。広告の設置では配置する位置や数などが大きく影響します。その点で広告配置がしづらいのは大きなデメリットです。
テーマ選びにおける7つのチェックポイント
無料・有料にかかわらずテーマを選ぶときには以下の7つのポイントをチェックしてください。いずれも運営のしやすさやユーザーの使い勝手に大きく影響を与えるものです。
・直観的に使用できるテーマであるか
使いやすさはサイト運営を継続できるかどうかにおいて非常に重要な要素となります。機能的に少し劣っていても感覚的に使いやすいテーマの方が機能をフル活用できる上、サイト運営を継続しやすくなります。ひいては集客や売上など成果にも大きく影響してくるでしょう。
・スマートフォン対応になっているか
現在、WEBサイトの閲覧はパソコンよりスマートフォンの方が圧倒的に多くなっています。したがって、スマートフォンでも見やすいデザインになっているかどうかはアクセス数の増減に大きく影響します。サイトの編集はパソコンによるものがメインとなりますので、つい見落としてしまいがちな点ですが、モバイルフレンドリーなテーマかどうかは非常に重要な要素です。
・SEOに強いか
サイト運営の目的は集客や売上の向上です。そのためにはアクセス数を確保する必要があり、アクセス数を確保するためには検索上位に表示されるためのSEO対策が必要となります。テーマによってSEOへの対策に差があり、SEOに強いテーマを選べばそれだけ検索順位においては有利になります。またSEO対策に充てる労力を節約できるので、コンテンツの拡充やマーケティング対策など別のことにリソースを投下できるようにもなるでしょう。ビジネス目的でサイトを運営する場合は、SEOに強いかどうかを主軸にテーマを選んでも良いくらいです。
・処理速度の速さ
いくらデザイン性や機能性に優れたテーマであっても、負荷が高く処理に時間がかかり、結果として表示速度が遅くなってしまうサイトではユーザーの使い勝手を損ねてしまいます。離脱率の増加やコンバージョンの低下を招くことにもなりかねません。ページの表示に3秒以上かかると40%のユーザーが離脱するという調査もあります。ユーザービリティーに直結する処理速度はサイトデザインと同等以上に重要な要素なのです。
・日本語対応になっているか
WordPressは世界中で利用されているツールです。したがって日本語に対応していない海外産のテーマも数多く存在しています。中にはデザインに優れたテーマも多いのですが、日本語対応していない場合は運用に非常に労力がかかります。わからないことを調べる際にも、日本語に対応しているテーマよりも時間も手間もかかるでしょう。少なくとも初心者の時は日本語対応のテーマに限定して選ぶことをおすすめします。
・目を引く個性的な色やデザインであること
雑踏の中で頭一つ背の高い人や鮮やかな色の服を着ている人、あるいは外国の人が目を引くように、数多くあるサイトの中で印象に残るには何らかの個性が必要です。そのために個性的な色合いやデザインを採用したテーマを使うことは非常に効果的といえます。もちろんコンテンツの質が前提にありますが、印象に残るサイトであればリピートするユーザーも多くなるでしょう。他の人が使用しておらず、自社の雰囲気に合ったテーマが理想ですが、これは同時に参考となる情報が少くなるということでもあります。その辺りの折り合いが付くテーマを探っていくと良いでしょう。
・複数のスタイルの種類が用意されていること
テーマそのものに個性がなくても、テーマ内でのデザインの選択肢が多ければ工夫次第で印象的なサイトにすることは可能です。また、1つのテーマ内に複数のスタイルが用意されていれば、途中でサイトの方向性を変更する必要が生じたときでもテーマを変更することなく対応することができます。したがって、特にWordPress初心者は複数のスタイルが用意されているテーマを選ぶことをおすすめします。
世界でよく使われているテーマの欠点
繰り返しになりますがWordPressは世界中で利用されているツールです。したがって、世界中でよく使用されており、圧倒的なダウンロード数を誇る優秀なテーマであっても、英語でしか運用できないというテーマも数多くあります。英語表記のテーマを使用してしまうと、まず英語を日本語に訳してその内容を理解するというプロセスを経る必要があります。手間がかかるほど運用は難しくなり、特に初心者は挫折しやすくなるでしょう。そもそも、ある程度英語に堪能でないと訳した情報が正確でない可能性があります。英語に自信が無い場合は世界でよく使われているテーマだからといって優先的に選ぶべきではないでしょう。
有料のテーマについて
WordPressのテーマには無料のものもありますが、企業や個人が作成した有料のテーマも数多くあります。有料のテーマは値段が8,000円程度の比較的手頃なものから4万円ほどするものまでその種類は多種多様です。もちろん導入に費用が発生する分、無料テーマにはない魅力的な特徴も数多くあります。
・無料テーマにはない美しいデザイン
無料テーマは味気ないデザインが多いですが、有料テーマの場合、導入するだけで美しいデザインのサイトを構築することができます。全体的なレイアウトや色使いだけでなく、各種ボタンや引用枠などの装飾までこだわっているものも珍しくありません。テーマによって男性向け、女性向け、カジュアル、ビジネスライクなど目的やターゲットに適したデザインを選ぶことができるのも大きなメリットです。デザインがしっかりしているとプロらしさが出るため、コンテンツの権威性や信頼性の向上にもつながります。
・表示されるのが速い
表示速度はユーザーの使いやすさに直結するため、アクセス数や離脱率に大きく影響します。したがって、サイト運営においては非常に大きな要素となるのです。その点、有料テーマはデザインだけでなく内部構造まで最適な状態に設計されているのが特徴です。負荷が重くなりそうな華やかなデザインであっても、ユーザーを待たせることは少ないでしょう。
・動画の埋め込みが簡単にできる
サイトに動画を埋め込むには、埋め込みコードやURLを貼り付ける方法がありますが、縦横比などの設定をしっかりと調整しないと画面のサイズなどがおかしくなってしまうことがあります。閲覧する端末によって、不具合が発生する可能性も否めません。有料テーマなら動画を埋め込む際の細かな調整を自動で行ってくれるものが多いため、これらの点をあまり気にしなくても動画の埋め込みが可能です。
・Instagramとの連動機能も搭載されているものもある
サイトのアクセス数向上には、SNSとの連携が非常に効果的です。有料テーマの中にはInstagramとの連動機能を搭載しているものもあり、ブログでInstagramの宣伝ができ、またInstagramでもブログの宣伝を行うことが可能です。このような機能を自前で行おうとするとプログラミング言語に対する深い知識が必要となります。その手間と労力を削減できるのは大きなメリットだといえるでしょう。
無料と有料のテーマを選ぶうえでのポイント
WordPressのテーマを有料のものにするか無料のものにするか。この2択で迷っている場合には、サイトを構築するうえで「時短」したいかどうかをポイントに決めると良いでしょう。有料テーマでは、カスタマイズなどをする上で直観的に操作が可能で、選択肢も幅広く用意されています。その分プラグインを探したりプログラムを編集する時間を節約できます。内部設計もしっかりしていますから、システム面の調整に時間を取られることもありません。ただ、無料テーマでも土台は同じWordPressですので有料テーマと同じようにカスタマイズすることは不可能ではありません。とはいえ、有料テーマを導入すればすぐに実施可能なことを時間をかけて構築していく必要があります。したがってテーマを選ぶときには、時間を節約したいなら有料テーマ、費用を抑えたいなら無料テーマという方針で検討すると良いでしょう。
無料テーマの人気上位300個を紹介
有料テーマが優れているのは事実ですが、無料テーマでも高い支持を得ているものも沢山あります。特に以下の3つが根強い人気を誇っています。
・Cocoon
無料テーマながら、SEOの内部対策、表示速度の高速化、レスポンシブ対応がなされており、カスタイマイズ性も高いのが特徴です。アドセンスなど広告も柔軟に配置でき、Amazonや楽天への商品リンクも簡単に作成できます。ビジネス目的では特におすすめです。
・Simplicity2
名前のとおり、シンプルなデザインが特徴のテーマで世界中で多くのユーザーに愛用されています。こちらもSEO対策や表時速度の高速化に力を入れており、サイト構築の土台として非常に有用な選択の1つです。SNS連携やレスポンシブにも対応済、余計なものは極力排除したいというユーザーには最適です。
・Xeory Base
日本で最も有名なマーケティングメディアの1つ「バズ部」が開発し実際に使用しているテーマです。シンプルなデザインであるがゆえにカスタマイズの幅も広く、CSSなどの知識があれば思い通りのサイトを構築できるでしょう。レスポンシブ対応なのであらゆる端末で見やすいデザイン設計が可能です。
弊社では、人気上位のテーマ300個を日本語化して用意しました。これからテーマを決めるという方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
WordPressのテーマ選択はサイト設計の第一歩であり、最も重要なプロセスの1つでもあります。特に無料テーマを選ぶ際には、この記事で紹介した7つのポイントを踏まえて慎重に選ぶようにしましょう。
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