WordPressでサイトを運営して売り上げや集客の目標を達成するために、アクセス解析は欠かせません。アクセス解析で得られたデータを元に改善を重ねることが目標達成につながるのです。WordPressには、アクセス解析を行うためのプラグインも数多くありますが、見づらい、使い勝手がよくないと感じている人も多いのではないでしょうか。この記事では、アクセス解析をするメリットや活用法、インターフェースに優れた使いやすいプラグインなどについて紹介します。
目次
WordPressのアクセス解析とは
WordPressでサイトを構築し、運営していくことには何らかの目的があるはずです。もっと商品を売りたい、見込み客を獲得したい、会員登録してほしい、などがこれにあたるでしょう。目的を達成するためには、現状を正しく分析し、改善点を見つけだすことが大切です。そこで必要になるのがアクセス解析です。アクセス解析をすることで、ユーザーの動きをつかむことができます。思うような結果がでないときには、アクセス解析で得られたデータを分析すれば、次に打つ手もみえてきます。アクセス解析を効果的に行うためには、WordPressで作成したサイトで達成したい目的や目標を明確にすることが大切です。
たとえば、「1カ月に100件の資料請求」「1カ月に1000万円の売上」「1カ月に1000人の会員登録」のように、数値で目標を設定すると、どこを改善すべきかが明らかになってくるでしょう。もし、資料請求する人の割合がアクセス数の1%であれば、100件の資料請求を達成するには1万ユーザーのアクセスが必要になります。また、サイトの内容を改善して資料の請求率を2%に上げることができれば、5000ユーザーのアクセスでも100件の資料請求が達成できることになります。このように目的・目標を明確にすると課題点もみえやすくなって、効果的なアクセス解析と改善を行うことにつながるのです。
アクセス解析から得るもの
WordPressサイトのアクセス解析を行うことで、さまざまなデータを得ることが可能です。まず、アクセスしたユーザーの数を知ることができます。何人がアクセスしたのか、そのうち新規のアクセスは何人なのか、再訪問は何人なのかなどを把握できます。また、ユーザーがどんな経路でアクセスしたのかについても把握することが可能です。ユーザーは、検索サイトやリスティング広告、SNS、他サイトのリンクなどを経てサイトにやってきます。
その流入元を知ることで、SEO対策などの改善する際にどこに力を注ぐべきかがみえてくるでしょう。アクセスの流入元が検索サイトの場合には、どんなキーワードで検索してアクセスしてきたのかも把握することができます。アクセスの多いキーワードを知ることで、効果的なSEOが行えるようになります。アクセス解析によって、ユーザーがサイト内のどのページを見ているのか、各ページのページビュー数を知ることも可能です。
また、最初にどのページを見て、次にどのページに移動したのか、あるいは移動せずにすぐにサイトを離脱してしまったのか、ということも把握できます。このデータを活用すれば、サイト内の導線の強化や離脱率の低減が可能になります。サイトの目的である資料請求や商品購入などのコンバージョンの状況についても把握できます。コンバージョンに至るまでのユーザーの行動を分析することで、コンバージョンを増やすための施策もみえてくるでしょう。
アクセス解析の活用法
アクセス解析を活用するためには、「アクセス数」「アクセスした後の動き」「目標の達成度合い」の3つについて把握する必要があります。「アクセス数を把握する」には、アクセスの流入元やどんなキーワードで検索したのかも含まれます。まず、流入元を分析することで、より多くのユーザーにアクセスしてもらうための施策を行うことが可能です。たとえば、検索サイトからのアクセスをもっと増やしたいのであれば、SEO対策が必要になります。広告からの流入が想定よりも少なければ、広告媒体や広告内容の見直しが必要になるかもしれません。また、SNSからの流入をもっと増やしたいのであれば、投稿回数を増やすなどの方法が効果的でしょう。
「アクセスした後の動きを把握する」ことで、サイト内をどう改善すべきかがみえてきます。まず、どのページを最初に見たのかを知ることが大切です。サイトのトップページが一番最初に見られるとは限りません。広告からのアクセスであれば誘導したランディングページになるでしょうし、検索サイトで上位表示されているブログの人気ページが最初のページということもあります。最初に見られるページを把握したうえで、直帰率や平均セッション時間を確認しましょう。直帰率が高くセッション時間が短かければ、次のページに誘導するための改善が必要になります。
どのページに移動しているかを確認して、きちんと想定したページまで誘導できているのかをチェックすることが大切です。「目標の達成度合いを把握する」ことで、コンバージョンをアップさせるための施策がみえてきます。目的が達成できない場合の改善策としては、まず商品購入や使用請求など、セールスページまでうまく誘導できているかをチェックすることが重要です。もし、うまく誘導できていない場合は、導線を見直すなどの改善が効果的です。また、セールスページまで誘導できているのにコンバーションが上がらない場合は、ページ内容をもっと魅力的なものに改善する必要があるでしょう。
アクセス解析におすすめのプラグイン
プラグインをインストールするだけで機能拡張ができるWordPressには、アクセス解析のためのプラグインも充実しています。そのなかでも特におすすめなプラグインが「Jetpack by WordPress.com」です。Jetpackは、WordPress.comが公式に提供しているプラグインで、アクセス解析を中心にソーシャルメディア連携、関連記事表示、CSS編集など30種以上の機能を備えています。JetpackをインストールしてWordPress.comと連携すると、さまざまなアクセス解析データを把握できます。
WordPressの管理画面にログインして、「Jetpack」の「サイト統計情報」をクリックすると、アクセス数やページビュー数、検索キーワード、外部サイトへのリンクのクリック数がなどを見ることができます。さらに、設置されているボタンをクリックしてWordPress.comに移動すると、より詳細なデータも把握可能です。また、Jetpackはソーシャルメディアとの連携が可能で、WordPressで記事を書き込んだ際に、TwitterやFacebookなどで自動的に記事が投稿されたことを知らせることができます。この機能を活用すれば、SNSでシェアされる可能性も高くなって、より多くのユーザーを集めることにつながります。
Jetpackには関連記事を表示させる機能も搭載されています。この機能を利用することで、ユーザーが興味を持ちそうな記事を表示できるので、ページビュー数を増やすことが可能です。WordPressのカスタマイズにCSS編集は欠かせませんが、JetpackでCSSを編集することもできます。この機能を利用すると、Jecpack用のCSSを書き込むスペースが用意されるため、本体のCSSに記載された内容を誤って消してしまうようなリスクもありません。また、WordPressのテーマを変更した場合でも、ここに記載された内容は引き継がれるので、新たに書き込む手間が必要ないというメリットもあります。
アクセス解析をするメリット
アクセス解析をするメリットは、サイトを訪れたユーザー数などを把握できるだけではありません。アクセス解析で得られたデータを活用することで、効率よく目標を達成しやすくなるのです。たとえば、ページビュー数の少ないページをどんなに改善しても、得られる効果は小さいでしょう。一番多い流入元、一番見られているページなどを把握して、優先して改善を行えば、少ない手間やコストで大きな効果を上げることができます。また、どのページのページビュー数が多いかを知ることで、ユーザーがどんな情報を求めているのかを把握することが可能です。それを参考にすれば、サイトの方向性やどんな内容の記事を増やせばよいのかもみえてくるでしょう。
どんなデバイスでサイトを見ているのか、そのデバイスで最適に表示されているのかを把握することも大切です。スマホが普及したことで、スマホでサイトを閲覧するユーザーも増えてきました。パソコンでアクセスするユーザーよりもスマホでアクセスするユーザーの方が多いサイトは珍しくありません。同じサイトであっても、パソコンとスマホでは見え方が大きく違ってきます。アクセスの8割はスマホなのに、注文は2割しかないということであれば、スマホでの表示に問題があると考えられるでしょう。このようにアクセス解析をすることには、問題点や改善のための施策がみえてくるというメリットがあります。
WP Taoを活用しよう
サイトを訪問したユーザーを追跡できるプラグインに「WP Tao」があります。WP Taoは無料で利用でき、サイトの訪問者を特定して、その行動を追跡することができます。多くの解析ツールは、何割の人がクリックしているのかなど、全体的な数値を把握するためのものです。これによっても改善点をみつけることはできますが、もっと詳細にユーザーの行動を知ることができれば、より効果的な施策を打つことができるでしょう。WP Taoを利用すれば、ユーザーを識別してどう行動したかを知ることができます。
このデータを活用してターゲティングの精度を高めたり、ユーザーの行動に合わせて導線を見直したりすれば、コンバージョンを増やすことにもつながります。WP Taoはプラグインをインストールするだけで利用でき、リソースを追加する必要や外部サービスと連携する必要もありません。管理画面もシンプルで一覧性が高く、直感的に操作することができます。WP Taoでユーザーの行動を分析してサイトを最適化し、コンバージョンアップにつなげていきましょう。
Googleアナリティクスを活用しよう
Googleアナリティクスは、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。さまざまなデータが把握できる高機能なアクセス解析ツールで、基本的には無料で利用することができます。Googleが指定するトラッキングコードをWordPressに組み込むことで、「サイトの訪問者数」「サイトへの流入元」「使用されたデバイス」などが一目で把握できるようになります。もちろんGoogleアナリティクスを利用するためには、Googleのアカウントが必要となります。具体的な設定方法については、Googleが提供する解説サイトを参照してください。
Googleアナリティクスの管理画面にログインし、「ユーザー」メニューの「概要」をクリックすると、サイトを訪問した人数であるユーザー、サイトを訪問した回数であるセッションが表示されます。全体のページビュー数、1セッションあたりのページビュー数もここで確認できます。また、「集客メニュー」の「すべてのトラフィック」「チャネル」をクリックすると、ユーザーはどこからサイトにアクセスしてきたのか、サイトへの流入元が表示されます。
Googleなどの検索サイトの場合は「Organic Search」、他サイトのリンクからの場合は「Referral」、SNSからの場合は「Social」、リスティング広告の場合は「Paid Search」のように、流入元別にユーザー数やセッション数を把握することが可能です。さらに各流入元をクリックすると詳しい情報が表示され、Organic Searchの場合には、一部ですが検索に使ったキーワードを知ることもできます。「ユーザー」メニューの「モバイル」「概要」をクリックすると、ユーザーがどんなデバイスでアクセスしているのかが表示されます。また、ユーザーがどの地域でアクセスしたかというデータも表示されるようになっています。
ユーザーがどんなデバイスでアクセスしたかということも、パソコンの場合には「desktop」、スマホの場合には「mobile」、タブレットの場合には「tablet」と表示され、デバイス別にユーザー数やセッション数を把握することが可能です。Googleアナリティクスでは、この他にもコンバージョンの達成数やコンバージョンに至るまでの経路なども知ることができます。Googleアナリティクスは、高機能なだけに操作には慣れが必要ですが、使いこなすことができれば大いに役立つでしょう。
まとめ
WordPressでサイトやブログを構築して目標を達成するためには、アクセス状況を正確に把握することが大切です。今回紹介したアクセス解析ツールやプラグインを活用すれば、さまざまな情報を得ることができます。そこで得られた情報を分析すれば、問題点や改善のための施策もみえてくるでしょう。
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