個人・法人問わず多くのサイトでWordPressが利用されていると聞いてWordPressを導入してみたものの、「難しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。確かにWordPressは直観的に使用することが難しく、初心者にとっては扱いづらさもあるツールです。しかし、それでもWordPressが多くの人に利用されているのには理由があるのです。そこで今回は、WordPressを使う上で大切な3つのポイントを説明します。初心者が運用する上でつまづきやすい点も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
断念しやすいWordPress
WordPressは、直観的に使用することが難しく初心者にとっては扱いづらさもあるツールであることは間違いありません。サーバーをレンタルし、ドメインを取得して利用を始めても結局断念してしまう人も多くなっています。その難しさの一方、無料ブログなどにはない数多くのメリットがあるのも事実です。実際に世界中の人々が利用しており、サイト作成ツールで世界シェア1位という実績がその有用性を示しています。無料ブログと比較して非常に役に立つけれど、慣れるまでに時間もかかるという前提に立って利用を開始することが肝要です。
無料ブログとWordPressの比較
よく無料ブログとWordPressのどちらかを選ぶかが話題になりますが、両者には以下の違いがあります。
・無料ブログは広告などを付けられないが、WordPressは自由に広告を付けられる
無料ブログを利用するというのは、賃貸のアパートやマンションに住むようなものです。勝手に壁紙を変えたり、穴を開けることはできないのと同じように、無料ブログにも制限があります。特に、商業用の広告や商品・サービスのセールスを付けることが制限されている場合が多くなっています。一方、WordPressの場合は、自分の土地に自分の家を建てて住むのと同じです。したがって、商業広告であっても好きな位置に好きなものを付けることができて、セールスも自由に行うことができます。
・無料ブログを利用する際にHTMLやSEOなどの知識は必要ないが、WordPressを利用する際には必要になる
無料ブログは、ユーザーにとって使いやすいように運営元の企業によって設計と改善がなされています。レイアウトをテンプレートから選ぶだけで簡単に綺麗なブログが出来上がり、記事の作成・編集も感覚的に行うことが可能です。また、運営サービス自体にドメインパワーがあり、またブログサービスの多くが新着ブログの紹介システムを運用しているなどseo対策を行わなくても人の目に触れる機会が多くなるメリットもあります。
一方、WordPressはサイトのレイアウトやカラーリングなど全てを自身で考え、構築していくことになります。プラグインやテンプレートを利用することで、ある程度は簡略化できますが、効果的にサイトを運営しつつトラブルにも対処するには、WEBサイトを構成するHTMLや、デザイン関連を設定するCSSなどの言語について勉強することは避けて通れません。また、新規のドメインには力がないためアクセス数を増やすにはseo対策を導入する必要もあります。自由度の高さがWordPressの長所ですが、その分、大きな労力も必要となるのです。
・無料ブログは写真のアップデートに制限があるが、WordPressには制限がない
無料ブログは複数人がサーバーを共有して使用するため、写真や画像をアップデートできる容量に制限があります。一方、WordPressは自身でサーバーをレンタルしてサイトを作りますので、契約した容量分は好きなだけ画像や動画をアップロードすることができます。制限がない分、好きなように記事やサイトを装飾することが可能です。
総じて、無料ブログは使いやすさが大きなメリットといえます。自由度はWordPressに劣るものの、かえって制限がある方が使いやすい面もあるでしょう。特にブログ初心者には使いやすいという点は大きな魅力ですし、ブログを継続するモチベーションの1つにもなります。
WordPressで初心者がつまずきやすいポイント3選
WordPressには初心者がつまづきがちな点がいくつかありますが、その中でも特に多いポイントが3つあります。
・サイトを構築する始めのときが一番難しく、記事を書き始めるまでに時間がかかる
WordPressは記事を書き始めるまでのプロセスが長く困難です。まずレンタルサーバーを契約し、サイトのURLとなるドメインを取得しなければなりません。次にWordPressをインストールしてようやくスタート地点となる管理画面に入ることができます。WEBの知識に自信がない場合はここにたどり着くまででも一苦労でしょう。さらに管理画面から必要項目を選び設定し、レイアウトを整えてようやく記事を書き始めることができるのです。
・HTMLを理解することが難しい
HTMLはWEBサイトを構成する基礎言語ですが、無料ブログではHTMLの知識が一切無くても記事を作成するのに問題はありません。一方WordPressではHTMLの知識がほぼ必須事項となります。ビジュアルエディタという機能を使えば、無料ブログのように記事を書くことはできますが、機能をフル活用していく、あるいは発生する不具合を解決していく上ではHTMLについての知識が欠かせないものとなるのです。プログラミング知識のない人にとっては、このHTMLを理解するのに大きな労力が必要となります。理解できないがゆえに問題が解決せず、サイトを続けられなくなってしまうこともありえるでしょう。
・プラグインの動かし方がわからない
WordPressには、有志が作成し公開しているプラグインという支援ツールがあります。プラグインを使えば、HTMLの知識があまりなくても「記事の人気ランキングを設置する」「記事に目次を付ける」などといったサイトの装飾が可能になります。また、導入することでseoで有利になるといったプラグインも少なくありません。プラグインをまったく使用していないWordPressサイトはほとんど無いでしょう。しかし、プラグインは有志が個々に作成しているため、使い方がそれぞれ異なり、また使用法の説明が不十分なものも多いです。したがって使い方を理解するのに手間がかかる、あるいは使い方がわからないので放置してしまうということもあるでしょう。手間をかけないためにプラグインを導入したいのに、プラグインを理解するのに手間がかかる、というジレンマが発生するのです。
つまずいたポイントをどう乗り越えるか
以上のように、WordPressには初心者がつまづきやすいポイントが数多くあります。では、そのつまづきを解決するにはどのような手立てがあるか、その方法を紹介します。
・WordPressの「フォーラム」で質問をする
WordPressには有志が管理・運営している日本語版のローカルサイトがあります。サイト内にはフォーラムというページがあり、そこで使い方などの質問を投げかけることができます。フォーラムには有識者が集まっているので、回答しやすいように詳しい状況を示した上で質問すれば応えてくれる人がきっと現れるでしょう。問い合わせフォームもありますが、そちらでは使用方法の質問は対応していないので注意が必要です。
・ネットでわからない部分を調べる
WordPressは世界で最も使われているサイト作成ソフトです。したがって、基本的な使い方や活用の仕方などノウハウを公開しているユーザーも沢山います。インターネットで分からないことを検索してみるのは非常に有効な方法といえるでしょう。特に初心者は、ブログテーマやプラグインなどはできる限り人気のあるものを使うと良いでしょう。メジャーなものほどネットでの情報も数多く見つけられます。
・WordPressの専門書を購入し理解できるまで読み、実際に動かしてみる
WordPressは参考書や専門書が数多く出版されています。ネット検索は新しい情報が得られる点がメリットですが、体系的に学ぶときには書籍を参考にした方が効率的です。読んだら学んだところまで実践し、分からないところは参考書やネットなどで再度確認する。このようにインプットとアウトプットを繰り返すことで知識とノウハウが深まっていき、WordPressを使いこなせるようになっていくでしょう。
・サイトを構築するのに長期間かかっても、途中で断念しない
WordPressを運用する上では覚えることがたくさんあり、それだけサイトを構築するのにも時間がかかります。しかし、一度学び実践したことは無駄にはなりません。ネット上の財産となって残り続けます。少しずつでも継続していけば徐々にサイトは完成していきますので、辛抱強く続けることが大切です。サイト運営の成否は途中で断念せずに継続できるかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
WordPressがそれでもよく使われている理由とは
無料ブログと比べて非常に労力を要するWordPressが世界中で支持されているのにはもちろん理由があります。
・自由にサイトのデザインをカスタマイズできるから
WordPressでは、全体のレイアウト、カラーリング、ヘッダー・フッターの幅や高さ、文字のフォントなどサイトデザインのすべてを自由にカスタマイズすることが可能です。無料ブログのような制限は一切ありません。サイトの構成言語であるHTMLやCSSについて詳しければ思うままにサイトを作り上げることができるでしょう。雑記ブログのようなデザインにすることもコーポレートサイトのようなデザインにすることも可能です。
・プラグインが豊富にあり、自身のサイトに合った機能を自由に付加することができるから
デメリットで「プラグインの動かし方が分からない」という点を挙げました。しかしこれは、裏を返せば運用の仕方さえ分かればプラグインを使って自身のサイトに必要な機能をどんどん導入できるというメリットがあることを意味します。HTMLを編集することなく便利な機能を利用できるのは大きな魅力です。
・seoに強く、検索エンジンの上位に上がりやすくなるから
WordPressはGoogleが推奨する内部対策を自動的に行うように設計されています。また、seo対策に役立つプラグインが多数公開されていいるため、それらを活用すれば無料ブログよりはるかにseoに強いサイトを構築することが可能です。サイトを構築して間もない頃は検索エンジンに引っかからないため無料ブログの方が検索上位となりやすいですが、長期的にみればWordPressの方が検索の上位に表示されやすくなります。
・サイトを構築するうえで、無料ブログのような制限がないから
繰り返しになりますが、無料ブログは賃貸物件でWordPressは持ち家のようなものです。どのような項目をどこに設置するか、ボタンや枠線、吹き出しなど記事に使う装飾やレイアウトはどのようにするか、問い合わせフォームを設置するかどうかなど全て自分で決めることができます。どのような目的でどのような内容を扱うかもユーザーの自由です。本気でブログやメディアを運用したい人ほどWordPressのような自由度の高いツールを使うことが有効となります。
まずは基礎用語をおさえよう
WordPressの使い方を理解する上では、まずはHTMLやseoなどに関する専門用語を理解することが大切です。WordPressの設定画面のみならず、参考書やネット上の情報サイトでは専門用語が多用されていることが珍しくありません。したがって、これらの用語について知っているか知っていないかで初期設定など作業の進めやすさにも差が生まれます。誰かに質問する上でも、関連用語を使えるかどうかでどうかで伝わりやすさも返ってきた回答への理解度も変わってくるでしょう。
最初は、基礎的な用語から順々に覚えていくことをおすすめします。デザインテンプレートのことを「テーマ」、有志が作った支援ツールのことを「プラグイン」、管理画面のことを「ダッシュボード」と呼ぶなどWordPressを使う上で必ず知っておかなければならない用語がたくさんあります。最初から参考書などで暗記しようとすると覚えにくいので、実践していく中で知らない言葉に出くわす度に調べる癖をつけておくと効率的に知識を吸収できるようになります。
目標となるサイトを見つけよう
WordPressは自由度が高いため、どのようなサイトにするか悩んでしまって進まなくなることもあるかもしれません。そこで初心者の方には、自身の目標や手本となるサイトを1つ見つけ、そのサイトと同じようなデザインのサイトを構築することをおすすめします。お手本のサイトがどのようなレイアウトになっているか、どのような項目があるか、どのような装飾を使っているかなどを分析し、そのとおりにサイトを作るにはどのような設定やプラグインが必要かなどを調べることで、WordPressの使い方を効率良く理解できるようになります。
目標となるサイトがWordPressの使い方を紹介しているサイトであるとなお良いでしょう。そのような場合、自身のサイトの作り方を基礎に説明していることが多いため、非常に効率良くサイト構築の勉強を行うことができます。独自ドメインのサイトであれば大抵の場合はWordPressを使用しています。まずは「WordPress使い方」などで検索して、良いデザインだと思えるWordPressの説明サイトを見つけることからサイト構築を始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
初心者がWordPressを利用する上でつまづかないようにするには、まずは正しい知識を得ることが大切です。その上で、初心者がつまづきやすいポイントをしっかりクリアしているサービスを選ぶことが、スムーズに思い通りのサイトやブログを構築するコツとなります。
コメントを残す