WordPressでサイトを運営している人のなかには、Google AdSenseなどの広告を貼っている人も多いでしょう。そこで気になるのが、どこにどんな広告を貼れば、より収益につながるのかということです。何も考えずに貼るのと、戦略的に貼るのとでは、結果も大きく違ってきます。同じ広告でも、貼る場所を変えただけでクリック数が何倍にも伸びることもあるのです。この記事では、WordPressでクリックされやすい広告の貼り方に対する9つの質問と、それに対する答えを紹介します。
目次
【質問】1.ユーザーがサイトにアクセスする目的は何?
効果的な広告の貼り方を検討するにあたっては、まずユーザーがサイトにアクセスする目的は何かを考えることが大切です。検索エンジンなどを経由してサイトにアクセスしたユーザーには必ず目的があります。ユーザーは、ほしい情報や解決したい問題などがあって、サイトを訪問しているのです。ですから、その目的に沿った広告を貼ることがポイントになります。たとえば、本の新刊を紹介するようなサイトであれば、本に関連する広告を掲載するのがおすすめです。
もし、オートバイに関する情報を提供するサイトであれば、オートバイ関連商品の広告を貼りましょう。ここに、ダイエット商材やクレジットカードの広告を貼っても、クリックしてもらえる可能性は高くありません。特にアフィリエイトなどを行っている場合、広告の内容よりも報酬額に意識がいってしまいがちです。ユーザーが興味を持たない広告をいくら貼っても、収益には結びつかないでしょう。サイトを訪れたユーザーはどんな情報を求めているのか、その目的をしっかりと考えることが大切です。
【質問】2.個々のページを閲覧する際、ユーザーはどういう行動をとる?
成果につながる広告を貼るためには、個々のページを閲覧する際、ユーザーはどういう行動をとるのかを考えることが大切です。最初にどこに目がいくのか、記事のどの部分が読まれているのか、どこがクリックされやすいのかなどを検討することが重要になります。ヒートマップツールを使うと、ユーザーのマウスの動きを可視化して、ユーザーがどんな行動を取っているのかを把握できます。
マルチデバイスに対応したヒートマップツールもあり、デバイス別にユーザーの動きやスクロール到達率を知ることができるので、スマホでアクセスした場合の行動も知ることが可能です。見られていない場所やクリックされていない場所も把握できるので、広告を貼る際の参考となります。また、記事を読み終わった後にユーザーがどんな行動を取るのかを考えることも大切です。そのページに関連するページや情報を探す傾向がありますので、それを踏まえてページの作り込みや広告を貼る位置を決めるのがポイントになります。
【質問】3.ユーザーが注目しそうな場所はどこ?
ユーザーが注目しそうな場所に広告を貼れば、それだけ広告をクリックしてもらえる可能性も高くなります。サイトを訪れたユーザーの視線の動きには、いくつかの法則があります。代表的なのが「グーテンベルク・ダイヤグラム」です。横書きの文章を読む場合、まず左上に視線がいくのが普通です。均質の情報が並んでいる場合は、そこから右下に視線が流れていきます。サイトのデザインを行う際によく使われるのが「Zの法則」です。Zの法則は、視線が左上から右上、そこから左下、さらに右下とアルファベットのZの文字を描くように動くという法則です。
「Fの法則」は、スマホサイトのデザインを行う際によく使われます。視線が左上からアルファベットのFの文字を描くように動くため、Fの法則と呼ばれます。以上の法則を踏まえてユーザーが注目しやすい場所を考えると、まずサイトのトップページのサイドバーがあげられるでしょう。左上はサイトにアクセスした際、最初に目に入る場所なので、注目率も高くなります。目次の前後も注目されやすい場所です。ユーザーは自分が探している情報を見つけるために目次をチェックします。そのため、目次の前後に広告を貼れば、クリックされる可能性は高いのです。Fの法則から考えると、目次はページの左側に置くのがおすすめです。
【質問】4.ユーザーの邪魔にならないよう広告を掲載する方法とは?
ユーザーは探している情報を見つけるためにページを訪れるのであって、広告を見たいのではありません。そのため、ユーザーの邪魔にならないように広告を掲載することが重要です。まず、記事内に掲載する広告には注意が必要です。記事の間に掲載される広告は、ユーザーの読むという行動を邪魔してしまいます。それが度々続くとストレスになり、広告が邪魔だと感じてしまうのです。記事のボリュームにもよりますが、広告の数が多くならないように配慮し、広告を貼る位置にも注意しましょう。
表示される広告の内容によって、邪魔に感じる場合もあります。記事の内容に関連する広告であれば問題なく受け入れられますが、まったくの関係のない広告だと邪魔だと思ってしまうのです。また、関連する広告であっても、不快に感じられるような表現を用いた広告もあります。そういう広告が多く表示されると、ページ自体の品位を落としてしまうことにもつながりかねません。特定の広告を載せたくない場合は、Google AdSenseの管理画面でURLを指定してブロックすることができます。
【質問】5.すっきりとして見やすく魅力的なページにする方法とは?
ページのコンテンツがまったく同じ内容であっても、見せ方で印象は大きく違ってきます。見にくい、読みにくいと感じたら、ユーザーはすぐにサイトを離脱してしまうでしょう。すっきりとして見やすいホームページにするためには、見出しをうまく使うのがポイントです。見出しを見ただけで、何が書かれているのかがわかれば、ユーザーも情報を見つけやすくなります。WordPressでは、投稿画面で「H2」「H3」「H4」の見出しを指定することができます。H2が大見出し、H3が中見出し、H4が小見出しと考えるとよいでしょう。それぞれh2~h4タグに対応していますので、見出しにキーワードを入れ込むとSEO効果も期待できます。
文章で説明しても伝えにくい場合は積極的に表を使うのもポイントです。100の言葉を並べるよりも、簡単な表を使ったほうがわかりやすくなることもあります。WordPressなら、投稿画面で簡単に表を作成することが可能です。ブロックでテーブルを選択し、列数と行数を指定するだけで表ができあがります。作成した表はスタイルを変えたり、場所を移動したりすることも簡単にできます。
また、色を使いすぎないことも見やすいホームページにするためには、重要なポイントです。見た目に寂しいからという理由だけで、文字や背景に無理に色をつけると、かえって見にくいページになってしまいます。色の使い方としては、特にアピールしたい箇所を目立たせる、関連性のある箇所を共通の色にするなど明確な理由がある場合以外は、ページ全体のトーンに合わせるようにしましょう。使う色の数が絞られると、すっきりとして見やすく魅力的なページになります。
【質問】6.スクロールしなくてもコンテンツは閲覧できる?
アクセスしたユーザーのなかには、ページの内容を一目見ただけでスクロールせずに離脱してしまう人も少なくないでしょう。このようなユーザーには、目的の広告を見てもらうことができません。スクロールせずにページを離脱してしまうユーザーのタイプは、主に次の3つに分けられます。1つ目が、ユーザーが間違ったサイトに来てしまったと判断したときです。検索エンジンや広告の内容から、ユーザーはページに書かれている情報の内容を予想します。その予想と実際のページのギャップが大きいと、すぐに離脱してしまうのです。このような場合は、サイトの紹介文や広告の内容を見直す必要があります。
2つ目が、どんな情報が掲載されているのかわかりにくい場合です。ページのレイアウトが見にくい、タイトルが適切でないような場合に、ユーザーは数秒間悩んだだけで、ページを離脱してしまいます。そのため、タイトルや見出しを見直して、必要な情報があることをアピールすることが大切です。3つ目が、ページの読み込み速度が遅い場合です。ページがすぐに表示されないと、ユーザーは待ちきれずに他のサイトに移ってしまいます。画像のファイルサイズを小さくするなどして、表示されるまでのスピードを速めることが大切です。
また、スクロールしなくても重要なコンテンツをアピールできる方法もあります。たとえば、サイドバーに重要な情報を表示させ、ページを開いた段階で、それが目に入るようにします。そのうえで、ページをスクロールしても自動的に追尾するようにすると、常にユーザーの目に入るので効果的です。WordPressには、このサイドバー追尾機能を追加できるプラグインがあります。「Q2W3 Fixed Widget」などのプラグインを利用すると、追尾型のサイドバーを簡単に設置できるのでおすすめです。
【質問】7.広告を載せすぎていないか?
広告の数を増やせば、クリックしてもらえる可能性も上がるだろうと考えがちです。しかし、ユーザーは広告が見たくてサイトにアクセスするわけではありません。もし、ユーザーが広告がうるさいと不快に感じるようなことになれば、すぐに別のサイトに移ってしまうでしょう。特に記事中に広告を貼り込む場合は、広告の数が多いと読みにくい記事になってしまうだけでなく、掲載してある情報の信頼度にも影響しかねません。そのため、コンテンツの数や記事のボリュームを踏まえながら、広告の数を決めることが大切です。
Google AdSenseでも、広告の掲載過多に注意するようアナウンスしており、コンテンツ数を超えない範囲で広告が配置できると説明しています。また、Googleもメインコンテンツを邪魔するほどの広告があるサイトは、低品質のサイトとして厳しく評価すると発表しています。Google AdSenseの場合、広告の数の目安は「2000文字程度の記事なら3つ程度」といわれていますが、ページ全体のコンテンツ量や広告の種類によっては、もっと少なくてもよいでしょう。Google AdSenseなどが重視するのは、価値のあるコンテンツです。ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを作成し、それに関連した広告を貼れば、数が少なくてもクリックしてもらえます。
【質問】8.広告の配置場所はベストプラクティスに沿っているか?
同じ広告であっても、どこに配置するかで成果は大きく違ってくるでしょう。Google AdSenseでは、ベストプラクティスとして、サイトの種類別に効果的な広告の配置場所を紹介しています。ニュースサイトや旅行に関するサイト、求人サイトの場合、大きめの広告ユニットをスクロールしなくても見える範囲に配置すると、プレースメントターゲットが獲得しやすくなります。ページ内には、標準のコンテンツ向けAdSense広告を3つまで配置することが可能です。ページのレイアウトに合わせて、728×90のビッグバナー、または300×250のレクタングル(中)の広告フォーマットを使用することが推奨されています。
また、上部のナビゲーションバーに 「AdSense 検索ボックス」を追加すると、サイトの収益につながることが説明されています。ブログサイトの場合は、ブランド効果とクリック率(CTR)を高めるために、プレースメントターゲット向けに、スクロールせずに見える範囲内に728×90のビッグバナーイメージ広告を配置するのがおすすめです。ナビゲーションバーの下に、160×600のワイドスカイスクレイパー広告ユニットを配置して、テキスト広告とイメージ広告を表示する設定が推奨されています。さらに、ページの長さに応じて、ページの中央または末尾に728×90のビッグバナー広告ユニットを配置するのが効果的です。
【質問】9.ページ内にしっかりと広告が表示されているか?
どんなにアクセスが集まるページであっても、肝心の広告を貼り忘れたのでは、収益を生むことはできません。Google AdSenseの場合、記事を書く度にショートコードを貼り付ける必要があります。記事を書くのに集中すると、つい忘れてしまうこともあるでしょう。WordPressの場合、プラグインを利用すれば、この貼り忘れを防ぐことができます。プラグイン「Advanced Ads」は、ショートコードをさまざまな場所に貼り付けることができるプラグインです。
たとえば、コンテンツの途中、一段落目の後、サイドバーなどのように、広告を自動挿入する場所を自由に設定することが可能です。広告をランダムに表示でき、広告の表示・非表示の条件を細かく指定できるので、より高い成果が期待できます。また、パソコンやスマートフォンなど、デバイスによって広告を出し分ける機能も備えています。ページ内に貼り付けるショートコードを一元管理できるので、貼り忘れて広告が表示されなくなるようなこともなくなるでしょう。
まとめ
ページに広告を挿入する際は、広告の数や貼る位置を見直すだけでも、成果が大きく変わることもあります。この記事で紹介した、9つの質問に対する回答を意識したうえで広告を貼り、収益アップを目指しましょう。WordPressの場合、プラグインを賢く活用すると、広告の最適化や管理を簡単に行えるようになります。
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