WordPressでネットショップを運営していると、さまざまなサービスを取り入れて購入を促す必要があります。そのなかで効果的なのが、クーポンの発行です。購入を迷っている商品にクーポンが発行されていると、つい購入してしまう人も多いでしょう。しかし、クーポンは意味もなく発行するとその効果は半減してしまいます。せっかくクーポンを発行するのであれば、売上につなげたいですよね。そこで、クーポンの活用事例やクーポンを発行するときに注意したいポイントを紹介します。
目次
クーポンの活用事例
クーポンの語源は「切り取る」だといわれていますが、切り取って渡すクーポンに加えて、インターネット上で使えるクーポンが多く利用されています。オンラインショップで使用したり、ホームページでクーポンを発行して実店舗の利用につなげたり、さまざま使い方が可能です。自社の販売サイトでクーポンを発行する場合もありますが、クーポン専門のサイトを運営している企業もあります。その活用事例を2つ紹介します。1つ目は、「クーポンサイト.jp」です。クーポンサイト.jpは、あらゆるクーポンサイトのクーポンを集約し、クーポンサイトを比較して利用できるサイトです。ここでは、全国のケンタッキーフライドチキンなどで利用できるクーポンが発行されています。
2つ目は、「Super RaCoupon」です。Super RaCouponは、オンラインモールである楽天市場の商品を対象に配布されているクーポンです。ほかにも、楽天トラベルや楽天ブックス、楽天オークション、楽天ネットスーパーなどでも配布されています。気になる商品を安く購入できるので、クーポンは購入の決め手になるでしょう。このように、クーポンサイトに登録をしてクーポンを配布することも可能です。
【ポイント】1.計画
クーポンは大きな販売促進効果が見込めますが、なんとなくクーポンを発行すると大きな損失を招く恐れがあります。失敗しないために、いくつかのポイントを押さえておきましょう。まず1つ目は、計画です。クーポンを作成するうえで、まずいくら必要なのか、経費などの予算を計画する必要があります。また、結果的にどのくらいの利益を出し、そのためにはどのくらい売上が必要なのか、ゴールへの道筋を立てることも重要です。
【ポイント】2.割引設定の確認
割引額の設定確認も非常に重要なチェックポイントです。割引額を設定したら、割引額や割引率、ゼロの数や小数点の位置など、繰り返し確認して決して間違いがないようにしましょう。もし、「10パーセントオフ」のクーポンにするはずが、間違えて「100パーセントオフ」のクーポンを発行してしまった場合、大損害につながります。紙のクーポンを実店舗に持ち込んだ場合は、スタッフが気づいて内容を訂正できるかもしれません。しかし、ネットショップでは設定された数値で自動的に割引が適用されてしまいます。そのため、気がついたときにはすでに大きな損失が出たあとだった、という事態にもなりかねません。
購入者に間違いだったと説明して、クーポンの取り消しを行うという対処法もありますが、クレームの多発は必至でしょう。購入者からの信用も落ち、対応に追われることになります。この大きな損害は、たった1文字の入力ミスで起きてしまう可能性があります。割引額に間違いがないか、複数人で何度も確認するとミスを防ぐことができるでしょう。
【ポイント】3.有効期限の設定
クーポンを発行するときに有効期限の設定も必要です。なかには、オープン記念と称し、開店したことを知ってもらうために、ほとんど利益のない価格でクーポンを発行するショップもあります。これは、大きな宣伝効果が見込めるので、宣伝費として捉えることができるでしょう。しかし、クーポンの期限を設定し忘れると大変です。オープンしてから数日間のつもりが、ずっとオープン価格で提供する事態になります。場合によっては、クーポンを発行してから数年後に使用されてしまう可能性もあるのです。一度発行してしまうと、注文時に利用できない設定にすることは難しいため、注文の確認をしたときに気づくケースが多くなります。
注文の取り消しを行うことはできますが、購入者の立場からだと納得できないと言われても仕方がないでしょう。そんな事態を起こさないために、有効期限に間違いがないか確認するのはもちろんのこと、有効期限の欄を空白にしないように注意する必要があります。同時に、使用回数の制限についても確認するといいでしょう。1人1回限りなのか、何度も利用可能なのか、目的に合わせて設定することが重要です。これも設定ミスをすると、有効期限と同様に長期にわたって損害を出すことにつながります。
【ポイント】4.動作確認
クーポンの設定に間違いがないかチェックしたら、発行する前に動作確認をしましょう。いくら気をつけていても、人の手で設定を行うのでミスをしてしまうこともあります。そのミスに気づくためにも、実際に動作を確認することが大切です。設定した通りの割引が適用されるかどうか、事前にチェックをすることで、ミスを防ぎ、リスクを避けることができます。また、クーポンに期限を設定している場合は、期限が過ぎたら使用できなくなっているかどうかも確認するようにしましょう。
【ポイント】5.キャンペーンのネーミング
クーポンを発行するときには、割引の内容や期限に加えて、キャンペーンのネーミングも重要になります。ネーミングによって売上が大きく変わることは少ないでしょう。しかし、キャンペーンのネーミングをよく考えてクーポンを発行しないと、社内の混乱を招く恐れがあるのです。多くの企業やショップでは、年に何回かキャンペーンを行っています。多いところでは、週替わりでクーポンを発行しているショップもあります。そうすると、キャンペーンやクーポンの数も膨大です。そのため、似たような名前のキャンペーンを作ってしまうケースがあります。キャンペーンのネーミングが似ていると、成果計測を行うときに混乱してしまう可能性が高いです。
キャンペーンでクーポンを発行したら、成果計測をする必要があります。「どのキャンペーンで売上が上がり、利益が出たか」を分析することで、より効果的なキャンペーンを打ち出していくことができるのです。そのため、それぞれのクーポンの内容が区別できるようにネーミングを考えることが大切です。
WordPressでクーポンを利用する方法
WordPressでクーポンを発行したい場合は、「WooCommerce」という簡単にネットショップを構築できるプラグインを利用するのがおすすめです。ここでは、WooCommerceを使ったクーポンの利用方法を紹介します。まず、WooCommerceをインストールして有効化しましょう。そして、WordPress管理画面の「WooCommerce」から「設定」を選択して、「決済方法」、「支払いオプション」とクリックしていきます。そこで、「クーポン使用を有効にします」にチェックを入れましょう。すると、WooCommerceでクーポンが使用できる状態になります。
続いて、クーポンの作成方法を説明します。WordPress管理画面の「WooCommerce」から「クーポン」を選択してクリックしましょう。そこで、「クーポンを追加」というボタンを押し、クーポンを新規作成します。そして、「クーポンコード」を登録します。クーポンコードは、購入者が支払いページやカートページで入力するコードになるので、わかりやすいコードを選択することが大切です。「詳細説明」の項目には、「総額5,000円以上購入で10パーセントOFF」など、完結にクーポン内容を記載しましょう。
次に、「一般」タブの設定を行います。「割引の種類」は、「カートの割引」や「カートの%割引」、「商品の割引」、「商品の%割引」から選択することが可能です。カートの合計額に対しての割引なのか、商品価格に対しての割引なのかを選択できます。そして、「クーポンの金額」では、「割引の種類」で設定した内容に合わせて、金額もしくはパーセンテージの入力をします。「送料無料」のチェックボックスにチェックを入れると、クーポン利用時に送料無料にすることができるので、必要に応じてチェックを入れましょう。そして、「クーポンの有効期限」に日付を入力します。カレンダーの日付をクリックして指定することも可能です。
続いて、「利用制限」タブの設定を行います。「最小額」にはクーポンの利用が可能な最小限度額を入力します。最小限度額は、カートの小計(税込)の金額です。「利用上限額」にはクーポンを利用できる最高金額を入力します。上限金額の設定をしない場合は、空欄で問題ありません。「併用不可」の項目にチェックを入れると他のクーポンと併用できなくなるので、複数のクーポンを配布する場合は、どう設定するか確認しましょう。「セール品を除外する」にチェックを入れると、カート内にセール品が含まれる場合にクーポンが無効になります。「商品」では、割引対象商品を設定できます。商品名を入れると候補が表示されるので、クリックして選びましょう。これは、クーポンの割引対象を商品に設定している場合に指定します。
「商品の除外」は、指定した商品がカートに入っている場合にクーポンが無効になる設定です。これは、クーポンの割引対象をカートに設定している場合に指定します。クーポンの割引対象が商品になっている場合は、「商品の除外」で指定した商品が割引対象から除外されます。「商品カテゴリー」は、カテゴリーを設定することで、そのカテゴリーの商品がカートに含まれている場合にクーポンを有効にする設定です。「カテゴリーを除去」は、「商品カテゴリー」とは反対に、指定したカテゴリーの商品がカートに入っていると、クーポンが無効になります。「メールアドレスでの制限」では、購入者が支払情報で入力したメールアドレスと、この項目に入力したメールアドレスが一致したときにクーポンが有効になるように設定できます。
最後に、「使用数制限」タブの設定です。「クーポン毎の利用回数制限」では、クーポンが使用できる回数を指定することができます。「X商品に利用を制限」では、カート内におけるクーポンの割引が適用できる商品の数を指定することが可能です。そして、「ユーザー毎の使用数制限」を設定することで、1人の購入者がクーポンを使用できる回数を指定できます。以上の設定を行うことで、WooCommerceでクーポンを使用できるようになります。さらに、細かく設定をしたい場合は、「Smart Coupons」を利用するのがおすすめです。Smart Couponsでは、ギフト券やサイト内のクレジット残高の発行や販売が可能です。つまり、ギフト券を買ってプレゼントすることができるようになります。
さらに、決済時に次回使えるクーポンを発行する機能もあります。この機能を使用することで、リピート客の獲得にもつながるでしょう。また、ユーザー毎にキャンペーンとしてクーポンを発行することも可能です。クーポンをメールで配信して、前回の購入から期間が空いてしまっている顧客へ、購入のきっかけを与えることができるでしょう。そして、通常クーポンはクーポンコードを入力して利用する必要がありますが、クリックするだけで利用できるクーポンを発行することも可能です。
【おすすめプラグイン】1.WP-Print
クーポンの発行におすすめのプラグインが「WP-Print」です。WP-Printは、プリントに特化したプラグインなので、クーポンの「印刷用ページ」を作成することができます。実店舗にクーポンを持ち込んでもらうときなどに便利な機能です。使用方法については、まず印刷したいページに「印刷用ページはこちら」という誘導のリンクを作る必要があります。そして、PHP埋め込みOKにするプラグインを導入して、クーポンの下に<?php if(function_exists(‘wp_print’)) { print_link(); } >のコードを記述します。これで、見た目のずれることのないクーポンを印刷することが可能です。
【おすすめプラグイン】2.Welcart
Welcartは、無料で使えるカートシステムのプラグインです。ここでクーポンを使用できるようにするには、2通りの方法があります。1つは、クーポン発行ができる拡張機能を購入することです。そして、もう1つはfunctions.phpからコードを記述する方法です。functions.phpは、テーマのための関数なので、誤ったコーディングを行うと表示されなくなる恐れがあります。functions.phpからカスタマイズする場合は、必ずバックアップをとるようにしましょう。また、コーディングの知識がない場合、functions.phpのコーディングは非常に難しくなります。その場合、拡張機能のあるプラグインを購入するほうが安心でしょう。
まとめ
クーポンを発行するときには、プラグインの導入がおすすめです。コーディングの必要がなく、簡単にクーポンを発行することができます。
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